2025年度 第8回デジタルヒューマン協議会を開催しました。今回はリコージャパン/嶽様より「リコージャパンのソリューションについて」をご講演いただき、現場DXの実装と、デジタルヒューマンへ示唆を与える設計思想について議論しました。

「現場に馴染むDX」と紙が持つ強さ

リコージャパンは全国340拠点・約17,000名の体制で、自社商品とパートナー企業のソリューションを組み合わせる「スクラムパッケージ」を通じ、業種ごとの課題に応える提案を展開しています。講演で繰り返し強調されたのは、DXは「現場に馴染む」ことが起点であるという考え方です。どれほど優れた技術でも、企業文化と現場の流れに溶け込まなければ定着しません。

その視点から、現場で根強く残る「紙」の強さも丁寧に語られました。手軽さ、年齢やITスキルに依存しないこと、場所を選ばないこと——紙は依然として強力なインターフェースです。同時に、消失リスクや管理コスト、データ活用の難しさという課題も併せ持ちます。日報や来店カードに含まれる納期、原価、顧客情報は経営判断に直結する「現場の宝」であり、ここをいかにデータへ橋渡しするかが鍵になります。

<事務局コメント>
「紙を否定しない」現実主義的なアプローチが新鮮でした。デジタルヒューマンの設計においても、利用者の自然な振る舞いを起点に体験を組み立てることは、定着の鍵となる視点です。

手書きから経営判断までを一気通貫でつなぐ

現場で手書き → 事務所でPC再入力という従来の運用では、タイムラグが月末残業や経営判断の遅れに直結します。これに対し、ご紹介いただいた「手書き文書データ化・活用パック」は、専用アプリとワコムのタブレットを組み合わせ、いつもの帳票に手書きするだけで内容がテキスト化され、kintoneなどのクラウドデータベースに即時連携される仕組みです。

結果として、現場担当者は二重入力から解放され、上長や経営層はリアルタイムに状況を把握して迅速な意思決定を下せるようになります。「現場の使い勝手は変えずに、データ活用の恩恵を最大化する」という設計思想は、テクノロジー導入の成功条件を端的に示しています。

<事務局コメント>
デジタルヒューマンの普及においても、既存業務にどれだけスムーズに溶け込むかが社会実装のスピードを決めます。リコージャパン様の実践は、業務システム単体の話にとどまらず、人と技術の接点設計の好例として大きな示唆をいただきました。なお、今回をもちまして2025年度のプログラムは終了となります。2026年度も引き続き、充実したプログラムを企画してまいります。

引き続き、デジタルヒューマン協議会ではデジタルヒューマンの社会実装を推進するために、活動に取り組んでいきます。

取り組みに賛同していただける会員様も募集しておりますのでご興味ありましたらこちらをご覧ください。